今回は「裸の王様」


例えにも使われることのある「裸の王様」はご存知の方が多いと思います。
登場人物の行動に大人でも考えさせられる作品だと思い、取り上げてみました。

王様のところにやってきた二人の詐欺師が
「不思議な美しい布が作れます。それはおろかで役目にふさわしくない人には見えない」と伝えます。

王様は作ってもらうようにお願いします。

さて、後日、大臣が機織りの様子を見にいくのですが、
詐欺師は糸も何もない機織りを忙しそうに動かしています。
大臣は見えない布を「それは美しい布だ」と王様に報告するのです。

王様に届けられた日。誰の目にもその服は見えません。
しかし誰一人、「見えない」と言わずに称賛するのでした。

さいごはパレードを見ていた子どもが
「王様は裸だ」と本当のことを言葉にしました。

詳しくはぜひ本でみてください。

ぜひ子どもたちと考えてもらいたいのは、

なぜ、詐欺師は騙せたのか?

本当のことを言い出せない人の気持ちを利用したんですよね。
特に王様など権力のある人や、プライドの高い人。
そして仕事を失うことのできない大臣。
どのような人には見えないか?
もう一度お子さんと思い出してください。
人を騙す人は、人の気持ちを利用して騙します。
何かあったら、誰かに相談するように伝えてあげてください。

みんなが「見える」と装うのもポイントでした。
みんなが見えているのに、自分だけ見えない、のは、自分がバカや役目にふさわしくないからなのか、と考えてしまいます。

集団の中で言えないことが大きな問題になることは少なくありません。
嘘をつくことも、自分を大きく見せようとすることも、少なくありません。

本当のことを勇気を出して声に出すことがどれほど大変かということも。

自分のままでいられた子どものひと言が
さらに考えさせられる作品です。

自分を偽ることは自分自身が良くないと大人だって気付いているはずです。

しかし、素直だけでは、ダメなときがあることも
子ども達には教えてあげてほしいと思います。
人を傷つけてしまう時です。
成長とともに知っていて欲しいことですよね。